■民主党の新しい年金体系案 記事詳細  
 
  現在のサラリーマンは所得比例の保険料を負担して「定額+所得比例の年金」を受け取る2階建ての制度に、自営業者は定額の保険料を負担して「定額年金」を受け取る1階建ての制度に加入しています。制度が分立している理由として、自営業者の所得捕捉が難しいこと、自営業者には定年がなく老後も仕事を続けるケースが少なくないこと、などが上げられます。民主党はこの考えを根底から改め、サラリーマンと自営業者などの区別なく、所得が同じなら同じ保険料を負担し、同じ年金を受け取る全国民共通の「所得比例年金」を目指します。実現に向けては、自営業者の正確な所得の捕捉が必要であることに加え、この層からサラリーマンの倍の負担(企業拠出相当分をあわせた額)になることの理解を得る必要があります。新しい所得比例年金の保険料については15%という水準が示されています。給付に関しては具体的な言及はありませんが「受給額=保険料総額+運用利息」といった積立型給付がイメージできます。賦課方式のままで給付算定方法だけを変える方式が有力と思われます。全国民が共通の所得比例年金に加入するとなると、専業主婦など現役時代に所得の無かった者は年金を受給できないことになるため、「最低保障年金」が設けられます。「満額は7万円」「所得比例年金の額に応じて減額・停止」「財源は全額消費税」などいくつかの点で現在の基礎年金とは違いがあるようです。改革法案は平成25年までに成立させることになっており、制度設計議論の行方が注目されます。  

 
 
2009年12月05日