■喫煙による世界の経済損失、年間160兆円以上 研究 記事詳細  
 
  喫煙が世界経済に与える損失が2012年に年間1兆4000億ドル(約160兆円)以上に達し、また医療費の20分の1が喫煙の影響によるものだとする研究結果が31日、発表された。

 世界保健機関(WHO)と米国がん協会(ACS)の専門家らによると、喫煙による損失は世界のGDP(国内総生産)の2%近くに相当し、そのうちの約40%は発展途上国が被っているという。

 損失額のうち治療費や入院費が4220億ドル(約48兆円)を占め、疾病や死亡で労働力が失われることなどによる間接的なコストも含まれている。

 医学誌BMJ発行の専門誌「タバコ・コントロール(Tobacco Control)」に掲載された論文は、「喫煙は全世界に大きな経済的負担を課しており、特にたばこが最も普及している欧州と北米で顕著だ」と指摘。さらに「これらの損失に取り組むため、各国による強力なたばこ規制策の実施が急務であることを、今回の研究は浮き彫りにしている」と述べた。

 論文の執筆者らによると、今回の研究では喫煙による世界の総損失額をより正確に推計するため、従来の富裕国に加え、初めて低・中所得国も対象に含まれた。世界の喫煙者の97%を占める、アフリカ、南北アメリカ大陸、地中海(Mediterranean Sea)東岸、欧州、東南アジア、西太平洋地域の152か国のデータを分析したという。

【AFP=時事】1/31(火)
 

 
 
2017年01月31日