■がん10年生存率58.9% 05〜08年診断、改善続く 国立センター 記事詳細  
 
  国立がん研究センターなどの研究班は10日、2005〜08年にがんと診断された患者の10年後の生存率が58.9%だったと発表した。

 生存率は16年の初公表以降、改善傾向が続いており、前回調査(04〜07年に診断)より0.6ポイント上昇した。

 研究班は、全国がんセンター協議会に加盟する27都道府県の医療機関32施設で診断を受けた約12万1000人を集計。がん以外の死因の影響を除いて生存率を算出した。

 部位別では、前立腺がんが最も高い99.2%だった。他は乳がん(女性)87.5%、大腸がん69.7%、子宮頸(けい)がん68.2%、胃がん67.3%、肺がん33.6%、肝臓がん17.6%などだった。早期発見が難しい膵臓(すいぞう)がんが6.6%で最も低かった。

 研究班メンバーの群馬県衛生環境研究所の猿木信裕所長は「集計は15年前に診断された患者も対象で、その後、新たな診断法や治療法が開発されている。生存率は数字だけを見て不安に思うのではなく、主治医らに相談する際の参考にしてほしい」と話す。

 研究班は、11〜13年に同じ32施設で診断を受けた約15万2000人について、5年生存率も集計した。がんは診断から5年が治癒したかどうかの目安にされることが多いが、生存率は全体で68.9%となり、前回調査(10〜12年に診断)より0.3ポイント上昇した。最高は前立腺がん(100%)、最低が膵臓がん(12.1%)となり、10年生存率と同様の傾向が見られた。

 時事通信社より
 

 
 
2021年11月11日