■新型インフルエンザって? 記事詳細  
 
  アジアで流行していた鳥インフルエンザがヨーロッパでも確認されたことから、病原体のウイルスが突然変異し、人間にも感染するようになり、爆発的な流行を引き起こすインフルエンザウイルスが出現する可能性が高まっている。従来のヒト型ウイルスは、感染してもある程度は免疫が働くために重症化することはあまりないが、鳥インフルエンザに由来したインフルエンザは、これまで遭遇したことのないタイプなので免疫がまったくないため、大きな被害をもたらす可能性が高い。新型ウイルスの出現パターンとして考えられているのが、水鳥のウイルスがブタやニワトリに感染を繰り返すなかで遺伝子変異が起きる例や、ヒトやブタの体内で鳥のウイルスとヒトのウイルスが混ざり合う場合などである。厚生労働省はこの新型インフルエンザが出現した場合の政府の対応策を「新型インフルエンザ対策行動計画」として、2005年11月に発表した。平常時から大流行するまでの感染の状況を6段階に分け、その各段階における国内と国外の状況についての具体的な対応策を示している。その第4段階では国内での小規模感染が起こった場合を想定し、大規模集会の自粛や患者の入院の勧告などの対策をとる。第6段階の国内大流行時には国民の4人に1人が感染する前提で、厚生労働大臣が非常事態を宣言し、すべての医療機関をあげて、治療や診断にあたる。治療用の抗ウイルス薬「タミフル」を2500万人分確保することにしている。  

 
 
2009年03月02日