■地元の期待も湧き出た「日本で一番新しい温泉」 コロナ禍の中でPRに奮闘 農業に利用する秘策も! 記事詳細  
 
  愛知県田原市の伊良湖温泉は、ことし4月から地元のホテルで利用できるようになった日本で一番新しい温泉です。しかし、新型コロナとの厳しい戦いが続いています。

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ここは愛知県田原市のホテル「伊良湖オーシャンリゾート」です。

(伊良湖オーシャンリゾート 中神光沙さん)
「見てください、この絶景」

美肌効果があると言われる弱アルカリ性の温泉、伊良湖温泉を源泉とし、眼下に広がる海岸線の景色も堪能できます。

特に地元で「マジックアワー」と呼ばれる、夕暮れ時から星空が頭上に広がる時間帯はホテルの自慢。そして、もちろん温泉も。

(大阪からの宿泊客)
「今だに、ぬくい。今でもポカポカしてる。これも温泉の効果かな」

(東京からの宿泊客)
「なんとなく(肌が)ツヤツヤした気がする」

源泉、伊良湖温泉は2020年に田原市に湧き出て、2022年4月から堪能できるようになりました。

新たな観光スポットの誕生に地元も盛り上がり、田原市はこの温泉を日本で一番新しい温泉としてPRに力を入れてきました。

しかし、新型コロナの影響で客足は伸び悩んでいます。そんな中、間もなく行動制限のない冬休み。部屋数が約150の、このホテル。現在の冬休み期間の予約数は去年の同じ時期と比べて2割ほど増え、満室の日もあるとのことですが…。

(伊良湖オーシャンリゾート 中神光沙さん)
「コロナ(の感染者が落ち着いて)以降、お客様が増えている実感はあるが、温泉に絡んでいるかというと…」

期待していた、湧き出た伊良湖温泉の認知度は今ひとつ。その訳を観光案内の最前線で奮闘する、この方は…。

(渥美半島観光ビューロー 山田充さん)
「(温泉を宿に)導入するためにかかる費用を考えると、なかなか地元の業者も前へ前へ進めない部分もある」

実は伊良湖温泉を引き込んでいるのは田原市内で22軒ある旅館とホテルのうち4軒のみ。温泉導入のためにはハード面の整備が、それぞれ必要なのです。錆びにくい配管に変えるにも費用がかかり、二の足を踏んでいる旅館、ホテルが多いという現状です。

(渥美半島観光ビューロー 山田充さん)
「皆さんに入ってもらって、温泉っていいなと思ってもらえたら嬉しい。それにはもっと(温泉に)入れる施設を増やすことが急務」

田原市は温泉導入に当たっては、補助金によるサポートも行ってはいますが、知名度アップで、より多くのお客さんに来てもらうことが一番の打開策。コロナに出鼻をくじかれたのは何とも悔しいところです。

そこで、こんな取り組みが。

(マーコ 青果事業部 青山大介さん)
「めちゃめちゃ大きいです。超ビッグサイズです」

今、収穫の最盛期を迎えているイチゴ、実は…。

(マーコ 青果事業部 青山大介さん)
「伊良湖温泉で葉面散布をしています」

温泉を栄養分としたハウスイチゴなのです。その最大の特徴は。

(マーコ 青果事業部 青山大介さん)
「糖度が上がるし、木の状態も良くなった」

温泉の豊富なミネラル成分を栄養に、この農園のイチゴ、トマト、バナナは糖度が1度から2度上がったというのです。

(マーコ 青果事業部 青山大介さん)
「お風呂や足湯のイメージしかないと思うが、農業という別の切り口で温泉を使うことで、伊良湖温泉という名前を全国に広めていきたい」

田原市によりますと現在、新たに温泉を引くことを検討中の宿泊施設は6軒あるとのこと。コロナ禍の伊良湖温泉の逆襲となるか、試行錯誤が続きます。

2022.12.15CBCテレビより
 

 
 
2022年12月16日