■がん10年生存率53・3%「改善傾向変わらない」…新たにネット・サバイバルで算出 記事詳細  
 
  国立がん研究センターは16日、2010年にがんと診断された患者約34万人の10年生存率が、53・3%だったと公表した。今回から、より実態に近い算出方法に変更した。このため、09年の診断患者が対象の前回調査とは比較できないが、同センターは「生存率が改善している傾向は変わらない」としている。

 全国のがん診療連携拠点病院などが参加する「院内がん登録」の大規模データを集計した。

 部位別の10年生存率は、前立腺がんで84・3%、乳がん(女性)で83・1%、大腸がんで57・9%、胃がんで57・6%などとなった。

 また、14〜15年にがんと診断された約94万人の5年生存率は、全体で66・2%だった。

 前回までは、がん以外の病気や事故などによる死亡の影響を補正した「相対生存率」で集計していた。実態より高めになりやすいとされる。このため今回は、純粋にがんのみが死因となる場合を推定した「純生存率(ネット・サバイバル)」で算出した。国際的にも広く使われる指標で、次回以降もこの方法を用いる予定だという。

 なお、同センターが参考として今回の10年生存率(全がん)を相対生存率で算出した値は60・5%で、前回より0・3ポイント上昇した。

 同センターの若尾文彦・がん対策研究所事業統括は「今、診断された患者は薬物治療などの進歩で、より高い生存率が期待できる。今回のデータはあくまで参考としてみてほしい」と話した。

2023.3.16読売新聞より
 

 
 
2023年03月16日