■9月26日月中旬に台風がないのは63年ぶり「気がかりなのは10月」21世紀の10月台風は全て“強い”勢力で上陸 tbc気象台 記事詳細  
 
  9月26日は、64年前の1959年に東海地方などに甚大な被害をもたらし全国で5000人以上が犠牲になった、「伊勢湾台風」が上陸した日です。また、その前年の1958年のこの日には「狩野川台風」が静岡の伊豆半島に接近し、大水害を引き起こしました。さらに遡ると1954年の同日にも「洞爺丸台風」により青函連絡船洞爺丸が沈没し、1000人以上が犠牲になっています。こうしたことから9月26日は「台風襲来の日」と呼ばれています。

一方、きょう26日の天気図を見ると、台風は存在せず、すぐに台風になりそうな熱帯低気圧もありません。

8月から9月はじめにかけては台風の発生が相次ぎましたが、9月8日に台風13号が熱帯低気圧に変わって以降、半月以上にわたって台風が姿を消した状態が続いています。9月の中旬(11日~20日)に台風が存在しなかったのは1960年以来63年ぶりです。日本の南の海上では、上空の太平洋高気圧がまだ強いことや、台風が発生しやすいはずの海域で東寄りの風が広く吹き抜けていて、台風を生み出す「風の収束」が起こりにくくなっていることが原因と考えられます。

ただ、気がかりなのはこれから先、10月です。というのも、近年は秋本番になっても、強い勢力でやってくる台風がかつてより増えているからです。台風の勢力(強さ)は、中心付近の最大風速によって、「猛烈な」「非常に強い」「強い」の階級に区分され、それ以下の強さは表現しません。

気象庁が統計を取り始めた1951年から2000年までの50年間では、10月に日本列島に上陸した台風は10個あり、そのうち「強い」勢力で上陸したのは3つ、その他の7つはそれ以下の強さでした。ところが、21世紀に入ってから去年まで、10月に上陸した台風は8つあり、その全てが「強い」勢力で上陸しているのです。

4年前の10月12日に上陸した台風19号(東日本台風)は宮城にも記録的な大雨をもたらし、県内で20人が死亡、2人が行方不明となっています。半月以上に渡って台風が発生していないため、日本の南海上では海水がかき混ぜられず、海面水温が平年より1~2度高くなってきています。このため、ひとたび台風が発生すると、あっという間に発達し日本列島に近づいてくることも考えられます。

特に川や斜面の近くにお住いの方や、浸水・冠水しやすい場所に職場がある方などは、台風接近の際にどう行動すべきかを改めて考えておきましょう。

2023.9.26tbc東北放送より
 

 
 
2023年09月26日