■ゴキブリ駆除に「3万円」も スマホ依頼で若者の高額請求被害急増 虫に不慣れも一因か 記事詳細  
 
  家にゴキブリが出たと、慌てて駆除を依頼した業者から、思わぬ高額請求を受けたとの消費相談が増えている。特に10〜20代の若い世代で目立つ。関係者は、住環境の変化で虫と接する機会が極端に減っていたり、スマートフォンなどを使い気軽にインターネット経由で依頼したりする今の若者気質が背景にあるとみている。

大阪市の会社員の男性(23)は昨年7月の午前0時過ぎ、1人暮らしのアパートでゴキブリを見つけた。虫は苦手で、実家でも親が対処していたため経験がなかったという。殺虫剤もなく、焦ってスマホで検索すると、「1匹500円〜」「見積もり無料」と広告している業者を見つけ、電話で依頼した。
 1人で訪れた男性の作業員は「1匹の駆除につき2万円と夜間作業料が必要」と計3万円を請求。男性は額の大きさに戸惑い、キャンセルを申し出たが、「キャンセル代も1万円かかる」と言われ、渋々、作業を頼むことに。さらに現金の手持ちがないと言うと、ATMに行くよう求められ、男性はコンビニで現金を引き出して支払った。「見積もりの時点で広告と全く違って、今考えればおかしいが、早く駆除してほしくてパニックになってしまった」。男性は振り返る。

国民生活センターによると、ゴキブリを含む「害虫・害獣駆除業者」とのトラブルの相談は全国的に急増しており、2023年度は今年1月末時点で前年度1年間を上回る1919件だった。中でも20代からの相談が392件で、4年前の10・5倍になっている。
 東京都消費生活総合センターの高村淳子相談課長は「10代、20代の相談の大半がゴキブリ、コバエといった、自分でも比較的対処しやすい虫」と指摘。「今の若い世代は、1人暮らしをして初めてこうした虫に遭遇する人も多く、焦って依頼するのかも」と語る。40代以上ではネズミ、ハチなどの駆除に関する相談が多いのとは対照的だ。
 トラブルに遭う若者の大半はネット経由で業者に依頼している。サイトでは格安価格で表示していても、出張費や薬剤噴霧の費用を追加したり、高額なキャンセル料を示す手口が多い。大阪市の男性のように「現金がない」と訴えても、「ATMで引き出して」と求められたり、「支払うまで帰らない」などと居座られるケースもあるという。
 高村課長は「深夜でもスマホ一つで依頼できる手軽さはあるが、自宅に知らない人を入れることにはリスクもある。そもそも業者を呼ぶ必要があるのか、冷静に考えて」と呼びかける。

2024.2.29ライフスタイルニュ−スより
 

 
 
2024年02月29日